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アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)について パワハラ問題 

パワハラ・モラハラ問題
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みなさんは「アンコンシャスバイアス」という言葉をご存じでしょうか。

「無意識の思い込み」や「無意識の偏ったモノの見方」を意味する言葉ですが、パワハラ問題と密接に関わっています。

今回は「アンコンシャスバイアス」に関して解説させていただきます。

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概要

アンコンシャスバイアス(無意識のバイアス)とは、個人やグループに対して意識せずに持つ先入観、偏見、または固定観念のことです。
これらのバイアスは、文化、社会的な経験、教育、メディアなどの影響を受けて形成され、私たちの判断、意思決定、行動に無意識下で影響を与えます。

自分がこれらのバイアスを持っていることさえ認識しないことが多く、そのため、無意識のうちに不公平な結果を生み出す可能性があります。

冒頭でお伝えした通りパワハラ問題に密接に関わっています。
ポイントとなるのは人は無意識下で偏見をもってしまうということです。

「レッテルを貼る」という言葉がありますが、例えば「この人は仕事ができない」というレッテルを貼られてしまうと仕事が本当にできるかどうかは別として、仕事ができないという悪い部分だけフォーカスされてしまい、結果として仕事ができないに人だと周囲に認識されます。
逆に「この人は仕事ができる」とレッテルを貼られると仕事ができるといういい部分がフォーカスされ、結果として仕事ができる人として周囲に認識されます。

その人の能力である部分もありますが、多くの場合は人に貼られたレッテルを無意識下で重要視してしまい結果としては先入観、偏見、固定概念が生まれます。

また、権力を持った人の意見が正しいと思ってしまうのも「アンコンシャスバイアス」が関係しています。
人は権力に弱く権力を持っている人の意見を正しいと思い、権力がない人の意見を間違っていると認識しやすいです。

同じことをいっているのにも関わらず誰が言うかによって、正しかったり間違っていたり認識されます。
この考えがパワハラ加害者を優位にさせます。

パワハラ問題におけるアンコンシャスバイアス

前項で人はレッテルを貼られると無意識下でその人をレッテル通りの人だと判断し、権力に弱いとお伝えしました。

そしてその性質はパワハラ問題において顕著に表れます。

1)無能だとレッテルを貼られる被害者

パワハラによって被害者は無能だと加害者からレッテルを貼られることが多いと思います。

そのレッテルは加害者だけでなく周囲の人にも影響を及ぼします。
被害者は無能であるという思い込みからその人の一時的な失敗やミスが過度に注目され、逆に成功した時も「無能なんだからたまたま上手くいっているだけ」と思われてしまいます。
これにより加害者と周囲の人に「この人は無能だ」というレッテルが固定化されます。

2)権力によって正当化される加害者の発言

前項で触れた通り、人は権力に弱いです。
パワハラというのは権力がある人が権力がない人に行われる行為のため、加害者の発言は正当化されてしまうことが多いです。
例えそれが第三者からみると異常ともいえる発言であっても同じ組織の人からは加害者が正しいというような認識が広がります。

だからこそ被害者は組織内で逃げ場がなくなります。

「指導のつもりだった。」という言葉があります。
これはパワハラ加害者がその行為を指摘された時によく聞く言葉だと思います。
第三者からみるとただの言い訳にしか聞こえませんが、アンコンシャスバイアスがかかっている状況おいては「指導をしているだけ」という認識が広がります。

権力者が「指導」だといっているからあくまで「指導」で厳しくしているんだと。
権力者の意見なんだから間違えはないと人は信じ込みやすいです。

以上のよくある2例に関して説明しました。
パワハラによってよくある光景であり、周囲の人もバイアスにかかるため被害者は孤立しやすく、どれだけパワハラが周囲に影響を与えるのかお分かりになるかと思います。

アンコンシャスバイアスの種類

最後にアンコンシャスバイアスの種類に関して触れていきます。
ケースによってさまざまな種類があります。

1.確証バイアス
自分の既存の信念や仮説を支持する証拠だけを探す傾向のこと
パワハラ状況下で効果を発揮しやすいです。
例:ある人を無能だと判断した場合はその人の一時的な失敗を強調し、成功は見逃す。

2.ステレオタイプ・バイアス
特定のグループや特性に対する一般化されたイメージや固定観念のこと
性別、年齢、民族、人種、職業など集団に関する先入観です。
例:男性(女性)は~だからこの人種は~だから。この年代は~だから。

3.親和性バイアス
自分と似ている人や背景、価値観が共通する人を好む傾向のこと
例:自分と同じ大学や同じ趣味を持つ人を組織に加える。

4. 属性バイアス(対応バイアス)
他人の行動を個人の特性や性格によると考え、自己の行動は状況によると考える傾向のこと
例:他人に失敗があれば「その人は無能だ」と思うが、自分が失敗した場合「仕事が多すぎたから」と状況のせいにする。

5. ハロー効果(ハロー・バイアス)
一つの良い特徴が全体の評価を上げること
例:見た目が良い人は能力も高く、性格も良いと無意識に判断する。

6. ホーン効果(ホーン・バイアス
一つの悪い特徴が全体の評価を下げる現象のこと
例:一回のミスでその人の全てを否定的に評価する。

7. コンフォーマティ・バイア
集団の意見や行動に合わせる傾向のこと
例:会議で大多数の意見に賛成してしまう。

8. アンカリング・バイアス
最初に提示された情報(アンカー)に過度に依存して判断する傾向のこと
例:初めに高額な価格を見た後に提示される価格が相対的に安く感じる。

9. アベイラビリティ・バイアス
即座に思い浮かぶ情報に基づいて判断する傾向のこと
例:最近頻繁に聞くニュースや経験に基づいて、現実のリスクを過大または過小評価する。

10. グラマーパーソン・バイアス
初めて会った人に対する第一印象に基づいて判断する傾向のこと
例:見た目や態度からその人の能力や性格を判断する。

まとめ

以上です。
アンコンシャスバイアスには様々な種類があり、人の日常生活、仕事、人間関係において無意識に影響を与えます。

これは人の無意識の行動のため、どうにもならない部分があります。
大切なことはこのような現象があるということを理解し、認識することです。

この効果は無意識であるが故に絶大な効果を発揮します。
そしてパワハラ問題に関しては加害者が自覚あるいは無自覚に「アンコンシャスバイアス」を悪用しています。

自分が組織でどのようなレッテルを貼られているのか改めて認識するとともにレッテルを変える方法があるのか模索してみましょう。
レッテルを変えることができないのであればそのレッテル通りの認識が組織で進んでいってしまうのですから。

それではまた次回の投稿でお会いしましょう。


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